季節性感情障害とは、秋から冬にかけてうつ症状が現れ、春先の3月ごろになるとよくなるというパターンを繰り返す(周期性)ことが特徴です。病気の発症時期として季節性があるというのがポイントで、明らかな心理的原因となる出来事やライフイベントが原因となっていません。
季節性感情障害には、うつ症状を繰り返す「再発性うつ病」と、躁状態(そうじょうたい)を挟むかたちで増悪(病気がますます悪くなる)を繰り返す「双極性障害」があります。
季節性感情障害では、①過眠、②過食、③体重増加といった典型的なうつ病とは異なる非定型な症状が多く、精神面でも「意欲低下や思考が進まない」「倦怠感がある」などの抑制症状が中心で、憂うつ感などの抑うつ症状は目立ちません。睡眠については、夜の睡眠時間の延長と日中の眠気の増加が同時に起こります。食欲については、炭水化物に対して特徴的で、白米やパン、パスタの他にチョコレートなどの菓子類を好みます。そのため、まるで冬眠している様子にも似ていると表現されることがあります。
日が短くなり、それにともなってうつ症状が出てきている方は、心療内科を受診してみてはいかがでしょうか。