2020/08/11 | 偏見や差別をへらすためには | | by センター |
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人間生活において、あらゆる状況や場面で差別や偏見が生まれると言って過言ではありません。そのため、「差別をするな」「偏見を持つな」と言っても、到底無理なことです。
特に、新型コロナ禍の状況で、感染者や医療福祉従事者、配送業者や小売業者などに対し、偏見や差別をしてしまうほか、無感染者にも関わらず、感染拡大地域からの移動をした方に対しても偏見や差別をしてしまう方がいます。
では、差別や偏見を減らすためにはどうしたらいいでしょうか。
そのためには、まず、自分自身が、差別や偏見といった「考え方」「感情」をしやすい傾向があることを掴みましょう。自分の感情を客観的に捉えることで、自分の感情と距離を保つことができ、突発的な心の動きを緩やかにすることができます。また、差別(=攻撃、怒り)は二次感情であり、その元となる一次感情に気づくことで、怒りのコントロールができることがあります。
では、新型コロナウイルスに関してはどうでしょうか。
新型コロナウイルスは、まだ、根本的な治療薬がなく、一般の風邪に比べ重症化しやすいウイルスです。また、感染経路が不明な方もたくさんいるのが現状で、不安の感情を持つ方が多数います。そんな不安の中、ウイルスを持っていると思われる方が近くにいると①その人から離れる、②その人を遠ざけるために差別する(攻撃する)、③感染症対策をしているので特に何もしない、の3パターンの行動を取ると考えられます。同じ不安を感じていても、その対応としての行動は必ずしも一緒ではありません。差別という二次感情の元となっている不安という一次感情を、きちんと理解・把握し、対策をとることで、偏見や差別を減らすことができる可能性があります。
つまり、現段階で分かっている新型コロナウイルスのことを正しく理解し、感染しないような予防策を実施することで、偏見や差別を減らすことができる可能性があります。