啓蟄とは、寒さが緩んで春の陽気になってきたことで、土の中から虫たちが動き出す季節のことを指します。「啓」はひらく、「蟄」は土の中で冬ごもりをしている虫、のことです。
土の中で越冬していたカエルが地上に出てきたり、冬の間は土の中でじっとしていたアリなどの虫たちも、土の表面を覆っていた雪も解け、土自体に日があたるようになってくるため巣の中も暖かくなってきたりします。そうして春を感じた虫や、冬眠していた生き物たちが続々と動き出す季節のことを表しています。
また、七十二候は、
初侯:蟄虫戸を啓く (すごもりむしのとをひらく)
木の皮の間や土の中、落ち葉の隙間で巣ごもりしていた虫たちが外に出てくる時期。
次侯:桃始めて笑う (ももはじめてわらう)
桃がその年始めて咲く時期。
末侯:菜虫蝶と化す (なむしちょうとかす)
冬を越したチョウの蛹が羽化し、羽ばたく時期。
となっています。
今年の気候はまだまだ冬の模様ですが、暦の上では春になっています。