これから梅雨の時期になっていきますが、新型コロナウイルス感染症のほか、細菌が原因の食中毒に気を付けてください。
食中毒は、その原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発生します。
食中毒を防ぐためには、細菌の場合は、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という3つのことが原則となります。
また、ウイルスの場合は、食品中では増えないので、「増やさない」は、当てはまりません。ウイルスは、ごくわずかな汚染によって食中毒を起こしてしまいます。そのため、原因ウイルスを「持ち込まない」「ひろげない」「つけない」「やっつける」ことが原則となります。
細菌の多くは、湿気を好むため、梅雨の時期に流行ります。細菌による食中毒の予防は具体的に次のようなことです。
(1)つけない=洗う!分ける! 手にはさまざまな雑菌が付着しています。食中毒の原因菌やウイルスを食べ物に付けないように、必ず手を洗いましょう。
また、生の肉や魚などを切ったまな板などの器具から、加熱しないで食べる野菜などへ菌が付着しないように、使用の都度、きれいに洗い、できれば殺菌しましょう。加熱しないで食べるものを先に取り扱うのも1つの方法です。焼肉などの場合には、生の肉をつかむ箸と焼けた肉をつかむ箸は別のものにしましょう。 食品の保管の際にも、他の食品に付いた細菌が付着しないよう、密封容器に入れたり、ラップをかけたりすることが大事です。
(2)増やさない=低温で保存する!
細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃以下では増殖が停止します。食べ物に付着した菌を増やさないためには、低温で保存することが重要です。肉や魚などの生鮮食品やお総菜などは、購入後、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。なお、冷蔵庫に入れても、細菌はゆっくりと増殖しますので、冷蔵庫を過信せず、早めに食べることが大事です。
(3)やっつける=加熱処理!
ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅しますので、肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安全です。特に肉料理は中心までよく加熱することが大事です。中心部を75℃で1分以上加熱することが目安です。
ふきんやまな板、包丁などの調理器具にも、細菌やウイルスが付着します。特に肉や魚、卵などを使った後の調理器具は、洗剤でよく洗ってから、熱湯をかけて殺菌しましょう。台所用殺菌剤の使用も効果的です。
家庭での食中毒予防は、食品を購入してから、調理して、食べるまでの過程で、どのように、細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」を実践していくかにあります。「買い物」「家庭での保存」「下準備」「調理」「食事」「残った食品」の6つのポイントで、食中毒の三原則を実行しましょう。