日本赤十字社が作成した『新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう』は、「病気」―「不安」―「差別」という関係を構造的に認識し、その関連における「負のスパイラル」を断ち切るというメッセージは、とても重要な視点です。
そのことを基本にした上で、全国社会福祉協議会では、この「3つの顔」を次のように転換していきたいと考えました。
➀「病気」-「不安」-「差別」という、マイナスの「3つの顔」を、これからプラスの顔に変えていきます。今の課題を、「強み」に変えていくという発想です。それは「健康」-「安心」-「共生」という新しい「3つの顔」です。
(ここでいう健康とは、WHO憲章「健康とはただ疾病や傷害がないだけでなく,肉体的,精神的ならびに社会的に完全に快適な状態であること」です)
② そのときに「負のスパイラル」も、「やさしさの循環」にしていく必要があります。
「健康」→「安心」<思いやる>自分のことだけではなく、他者のことを思いやること。
「安心」→「共生」<つながる>閉じこもってしまうのではなく、人とつながっていこうとする。
「共生」→「健康」<支えあう>自分にできること、相手に助けてもらうこと。お互いに支えあうことで、みんなの健康を創り出します。
③ この3つの力、「思いやる力」、「つながる力」、「支えあう力」を育むことが、コロナ禍で、「不安」を軽減し「嫌悪、偏見、差別」を生まないことにつながります。また、この3つの力を育むことが、「地域共生社会」の実現にむけた意識を形成していきます。
⑤ 全国社会福祉協議会版の福祉教育では、
(1)「健康」、「安心」、「共生」という顔に変えていくこと。
(2)そのために「思いやる」、「つながる」、「支えあう」という3つの力を育むこと。
(3)3つの力によって、3つの顔が創り出され、それが「やさしさの循環」としてひろがる地域社会を意図しています。
ぜひ、コロナ禍、コロナ後の地域共生社会の実現に向け、偏見差別を無くし、ともに支えあう意識づくりをしていきましょう。