お金・財産の管理、介護・福祉等の社会サービスを本人意思に基づき適切に利用(契約)していくことは生活の基本になっています。生活を支える支援は、これまで家族機能の一部として当たり前に考えられてきました。しかし、高齢化が急激に進み世帯構成が大きく変わりつつある昨今、高齢者や障がい
者の単独世帯や高齢者のみ世帯、障がい者の子と高齢の親等の世帯もますます増えています。このような方々が医療・介護・福祉等の生活の基本となるサービスを適切に利用できない状況がないよう、地域で支えることも必要になってきています。
かりに、判断能力が低下したとき、どのように支援を受けて、生活をしたいでしょうか。
自分自身が、契約の締結に必要な判断能力を有している間に、自己の判断能力が不十分になったときの「後見事務の内容」と「後見する人」を、自ら事前の契約によってきめておく制度として、任意後見制度があります。
任意後見制度の利用の仕方は、
①本人と任意後見受任者が、任意後見の内容を話し合う。
②本人と任意後見受任者が公証役場で、公正証書を作成し、正式に契約を交わす。
③本人の判断能力が十分でなくなったとき、本人、配偶者、4親等内の親族、任意後見受任者が、家庭裁判所に申立てを行う。
④家庭裁判所で任意後見監督人を選任し、任意後見受任者は正式に任意後見人になり、任意後見監督人の下で契約内容に従って、本人を支援する。
任意後見制度は、判断能力が不十分になった後に支援する制度で、将来の不安に備える仕組みです。