26(ふろ)の語呂合わせで、毎月26日は風呂の日です。
在宅介護では、お風呂を拒否する方も少なくありません。入浴介助は身体介護で大変な思いをすることが多いのにお風呂に入ってほしいタイミングでスムーズに入ってもらえないと、ストレスが溜まってしまいます。
● お風呂に入りたくない理由を聞いてみる
「お風呂に入りたくない」という方には、必ず「入りたくない理由」があります。お風呂を拒否されたときは、まず理由を聞いてみましょう。
たとえば、要介護の高齢者の方は、「おっくうだから入りたくない」と言うことがあります。
握力や筋肉が衰えると、服を脱ぐのも、浴槽をまたぐのも簡単ではありません。少しバランスを崩せば転倒してしまうこともあり、お風呂場のように滑りやすい場所では身体も緊張します。身体の動きが悪くなっているため、日常の動作にも私たち以上に体力を消費しています。そのため「お風呂=大変」と感じて入りたくない気持ちになってしまいます。
お風呂を拒否する理由として言われることが多い「おっくう」や「面倒」という言葉の背景には、いろいろな理由が含まれていると考えましょう。
・体力が落ちてきて、入浴にともなう動作がつらくなってきている。
・たまたま疲れていてお風呂に入る気力が湧いてこない。
・介護するご家族に迷惑をかけたくなくて、強がりを言っている。
など、本人の心の中を想像して「なぜお風呂に入りたくないのか」「どうしたら入れるのか」という視点から、かける言葉や入浴のときに必要なサポートを考えてみてください。
● どうしたらお風呂に入りやすくなるかを考える
入浴に必要な体力や身体機能が不十分で入りたくないのなら、手すりや滑り止めマットなどで安全な環境に整えたり、適切な介助をしたりすることで、入りやすくなります。
服の着脱が大変なら、脱衣所にイスを用意して安定した姿勢で行うと良いでしょう。本人一人では難しい部分を手伝うことで、大変さを感じずに済むでしょう。
また着替えているときの肌寒さを嫌って敬遠する方もいますので、ヒートショック対策も兼ね、脱衣所や浴室を暖めておくのが効果的です。
デイサービスなどの家以外の場所のお風呂をすすめる方法もあります。
本人が妥協できるポイントを探して、「お風呂に入りたい」という気持ちになってもらえるよう導くのも、解決方法のひとつです。